UPS導入 (APC Smart-UPS 750VA LCD 100V (SMT750J))


先日,我が家にNASが導入されました.
また,先般,自宅が収容されている変電所でトラブルがあり, 1時間を越える停電になりました.
せっかく,NASを入れたのに,停電でデータが消失してはかなわん, ということで,UPSを導入することにしました.
APC Smart-UPS 750VA LCD 100V (SMT750J) というものです.某ネットストアで3万円強でした.

NAS(最大100W)とPC(最大300W)の合計の400Wで7分間はバックアップできるというカタログスペックになっています.
バッテリ供給時間のシミュレーションページ


LCD画面

UPS背面

操作マニュアル


当初,上図のように接続して使うつもりでした.

NETGEARのNAS ReadyNASのファームウェアには,APC社等のUPSを監視するソフトウェアが 含まれており,ReadyNASの管理Web画面上で バッテリ残量が何%になったらNASをシャットダウンさせるか設定できます.
また,LAN経由で他のUPS監視daemonとお話して, 他の機器にもUPSのバッテリ状況を, 例えば, WinNUT -- The Windows Network UPS Tools というフリーソフトに伝えて, そのフリーソフトが搭載されているマシンもシャットダウンできるとの事前情報でした.

しかし, NETGEAR communityでの情報 (このスレの3件めの投稿) によると, NETGEARのNAS ReadyNASのファームウェア上のUPSを監視するソフトウェアでは, NASのシャットダウンは行うものの,その後,UPSをシャットダウンするための 信号(FSD)は送出していないとのことです.
このままですと, NASやPCはシャットダウンされるものの, UPS自身はシャットダウンされないため, 長時間の停電になった場合, UPSのバッテリが過放電でダメになってしまうことがわかりました.

UPS単体で何らかの条件でUPS自らUPSをシャットダウンさせる設定はないか?と APC社に問い合わせたところ.「ない.PowerChuteを買ってPCからUPSを操作してくれ」 と言われてしまいました.


そこで,上図のような接続構成を代替案として考えました.

WindowsXPあたりまでは,MS-WindowsにUPS監視ソフトウェアを含まれていたようなのですが, 今のMS-Windowsではそのようなソフトウェアが含まれなくなってしまったそうです.

しかし,PC上に, APC UPS Daemon というフリーソフトを入れれば良いとのこと.
Windows2008 Serverで,PC上のシリアルポートに,UPS添付のモジュラージャックオス〜9ピンシリアルメスのケーブルを挿し, APC UPS Daemonの設定をした人のブログが 投稿されています.

今回の案では,今回のPCはシリアルポートがないため, USB→シリアル9ピンの変換アダプタを使うことにしました.

ただ,残念なことに,上述のブログの設定のように, USB→シリアル9ピンの変換アダプタに割り当てられたCOMポート等を APC UPS Daemonに設定したのですが, APC UPS DaemonがUPSと通信できません,とか,のたいまいます.
ナゼだ〜


悩んでも仕方がないので,PC用にAPC社純正ソフトウェア, Smart-UPS 500/750用 ダウンロード版 PowerChute Business Edition Deluxe for Windows (4578円) を購入し,お金で解決をはかってみることにしました.

APC直販ショップで購入すると,発注受付のメールは来たのですが, ダウンロードのためのURLやパスワードの情報が届きません.
翌営業日に「発送しました」とのメールが来ました.
ダウンロード版なのに「発送しました」って,どういうこと?と思いながら, 宅配便を待っていたら, ダウンロード用のシリアル番号とパスワードが入った, ライセンスパックみたいなペラッペラッなものが届きました.
#しかも,配送業者が「西武運輸」って,どんだけマイナーなとこを使ってんだ?!

club apc というところで,アカウントを作ってダウンロードするのですが, まず先に,UPS自身をclub apcに製品登録してからでないと, 当該PowerChuteはダウンロードできないそうです.
まず,UPS自身を製品登録し,更に,PowerChuteも製品登録すると, PowerChuteがダウンロードできるようになりました.

PowerChuteのコンソールというソフトウェアで UPSの状態が見れるようになりました.

しかし,PowerChuteの設定では,以下の2種類のシャットダウン条件しか, 設定できないようなのです.

これでは,まずバッテリ残量が一定以下になったらNASをシャットダウンしてから, 余裕をもって,PowerChuteがPCをシャットダウン・UPSをシャットダウンさせることができません.
NASのシャットダウン中,あるいは,NASのシャットダウン前に,PC上のPowerChuteがUPSのシャットダウンコマンドを UPSに送ってしまう可能性が考えられます.

APC社に問い合わせたところ,PowerChuteで「バッテリ運用状態になって,x分経過したら,PowerChuteがPCとUPSをシャットダウンさせる」という設定は可能とのことでした.

【設定方法】
@ PowerChute Business Editionコンソールをひらく。
A 対象デバイスを右クリックしプロパティを選択する。
  (デバイスのプロパティという画面が表示されます。)
B デバイスのプロパティ画面の下部チェックボックスの"詳細項目の表示" に
  レ点チェックをいれる。
C シャットダウン -> 電源障害 を選択し
  電源障害時のシャットダウン開始の、"UPSのバッテリ運転状態が次の時間経過後"を
  選択し任意の時間を設定ください。

ただし,UPSのUSBポートとシリアルポートの同時利用は不可とのこと.
え〜,どこにも書いてないじゃん (涙)


その後,最初にしたAPC社への質問の回答は間違いで, 実は,UPS単体で,以下のいずれかの条件になったら,UPS自身が自ら判断して, UPSのシャットダウンに至ると回答がありました.
設定方法は以下の通りだそうです.
  1. UPS本体の「ESC」ボタンを押す
  2. ↓ボタンを押し,「セッテイ」を選んで,「Enter」ボタンを押す
  3. ↑↓ボタンで「アドバンス」を選択し,「Enter」ボタンを押す
  4. ↑↓ボタンで「セッテイ」を選択し,「Enter」ボタンを押す
  5. ↑↓ボタンで「セッテイ メイングループコンセント」を選択し,「Enter」を押す
  6. バッテリ運転になってからx秒でUPSをシャットダウン挿せる場合には,
    ↑↓ボタンで「フカセイゲン オンバッテリジカン」を選択し,「Enter」を押す.
    「ムコウ」になっているものを↑↓ボタンで「ユウコウ」に変えて.「Enter」を押す.
    ↑↓ボタンで「フカセイゲン オンバッテリジカン」を選択し,「Enter」を押す.
    ↑↓ボタンで秒数を設定し,「Enter」を押す
  7. バッテリ残り時間がx秒になったらUPSをシャットダウン挿せる場合には,
    ↑↓ボタンで「フカセイゲン ノコリランタイム」を選択し,「Enter」を押す.
    「ムコウ」になっているものを↑↓ボタンで「ユウコウ」に変えて.「Enter」を押す.
    ↑↓ボタンで「フカセイゲン ノコリランタイム」を選択し,「Enter」を押す.
    ↑↓ボタンで秒数を設定し,「Enter」を押す

それができるのならば,PowerChuteなんてを買う必要はなく, 当初予定の構成でよかったのに...(涙)


動作確認

最終形のままで,UPSには,USB(NAS)・シリアルポート(PC(PowerChute))の両方挿して,つなぎました.

  1. UPSの電源をコンセントから抜く
  2. UPSがバッテリ運転に切り替わる
  3. NASのUPS監視設定「バッテリ残量が90%を切ったらNASシャットダウン」が効いて,NASがシャットダウン
  4. PCのPowerChuteの設定で「バッテリ運用が10分続いたら,PCおよびUPSをシャットダウン」が効いて,PCがシャットダウンしようとする
  5. PCのPowerChuteのサーバがUPSへのシャットダウン信号を送った用で,PowerChuteのコンソールが「ネットワーク未接続」になる
  6. PCがシャットダウンする
  7. UPSのLCDに「あと150秒でシャットダウン」と表示され,150秒後にUPSがシャットダウンした
  8. UPSの電源をコンセントをつなぐ
  9. UPSが復電され,バッテリ運用状態から離脱する
  10. NASは勝手に起動をし始める
  11. PCは勝手には起動し始めない

なんだ,USBとシリアルポート両方つないでも,使えているじゃんか.


暇とお金が出来たら,当該UPSのオプション品のSNMP対応のネットワーク拡張カードを買って,遊んでみたいと思います.
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